パン生地に水飴を入れると、どんな効果があるのでしょうか?
水飴を使うとしっとしとしたパンになったり、白く焼き上げることが出来るのですが、砂糖とは違う糖分ですので注意も必要です。
詳しく解説していきます。
パン作りの水飴の効果
水飴は、穀物から取ったデンプンを人工的に麦芽糖とブドウ糖に分解した甘味料です。
水飴をご自宅に常備しておられる方は少ないと思いますが、パンに水飴を使うと、砂糖とは違った食感のパンを作ることが出来ます。
砂糖を水飴に置き換えることも出来ますが、かなりさっぱりとしたパンに仕上がりますので、砂糖と水飴を併用するのが一番いい方法です。
まずは、水飴を使った時の効果から説明していきます。
パンをしっとりさせる
水飴は保湿性があり、出来上がったパンをしっとりさせる効果があります。
また老化を防いでくれますので、通常よりも長い間しっとりしたパンを楽しむことが出来ます。
パンに焼き色がつきにくい
水飴は麦芽糖です。麦芽糖は焼き色がつきにくいです。白いパンを焼きたい時に適した糖分です。
一方はちみつは、焼き色がつきやすい甘味料です。
焼き色をつけたくない白いパンを作りたい時は、水飴を。
しっかりと焼き色がついたパンを作りたい時は、はちみつを使用します。
甘みが少ない
水飴は、砂糖よりも甘みが少ない甘味料です。
砂糖の40%しか甘みはありません。
甘みを出したい場合は、砂糖+水飴を入れるか、砂糖の量はそのままで水飴を追加するようにします。
後ほど触れますが、水飴は発酵が遅くなります。発酵の面からも砂糖に水飴をプラスした方が、作りやすいです。
水飴を入れる量
水飴をどのくらい入れるのがいいかというと、粉に対して5%くらいがいいいでしょう。多くても10%に留めておきましょう。
水飴には香りはありません。水飴を使う目的はしっとりさせることと白くさせることですので、多く入れる必要はありません。
水飴を多く入れると発酵を妨げ、生地もベタベタして扱いにくくなります。
入れすぎに注意しましょう。
20~25%は水分
水飴は、20~25%が水分です。
水飴を使う場合には、水分量を調整する必要があります。
10gの水飴を使用する場合は、2~5gの水を減らす必要があります。
かなり少量ですが、水が多いと生地が緩くなり捏ねにくくなってしまうこともありますので、水分は減らして作ることをおすすめします。
捏ねている段階で、生地が固いと感じたらその時に追加して調整するようにします。
生地がベタつきやすく、発酵も遅い
水飴を入れると生地がベタつきます。また発酵も遅くなりますので、いつもより長めに発酵を取るようにしましょう。
既存のレシピに水飴だけを追加する場合は、砂糖の量は変わっていないので、基本的には発酵時間はそのままで問題ありません。
しかし、水飴が入ることで生地が捏ねくなっていたり、いつもと生地の状態が違ってくる可能性もありますので、きちんとフィンガーテストなどを行い、発酵を見極める必要があります。
水飴の代用方法
水飴は、20~25%が水分です、水飴の甘みは砂糖の40%しかありませんので、計算はかなりややこしくなりますが、説明していきます。
同じ甘さのパンに仕上るのであれば、
○水飴20gを砂糖に置き換える場合は、8gの砂糖に置き換え、水を4~5g追加します。
○砂糖20gを水飴に置き換える場合は、50gの水飴に置き換え、水を10~12.5g減らします。
水分と甘みが違いますので、完全に同じ甘さにしようと思うとややこしくなってくると思います。
白いパンに焼き上げたい場合は、砂糖を完全に水飴に置き換えた方が、効果がありますが、それ以外の場合は、砂糖と水飴を併用するのが一番いいでしょう。
いつものレシピに少しだけ水飴を追加する。(水を減らすのを忘れないように!!)こうすることで、しっとり感が増します。
まとめ
水飴は、白パンを焼く時に使用されることが多いです。
焼き色をつけずに、しっとりと焼き上げることが出来るからです。
ただし、水飴に甘みは期待できませんので、甘いパンを作りたい場合は砂糖など他の甘味料と併用しましょう。
水飴は、甘みの効果ではなく、うま味を引き出す甘味料だと言えます。
ご自宅には、あまり無い材料だと思いますが、白くてしっとりしたパンを焼きたい!という方は是非一度水飴で作ってみてくださいね。
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