パン作りに使う材料にお砂糖がありますが、砂糖を入れることでパンにどのような効果が得られるのでしょうか。
また、どれくらいの量を入れるのが適切なのでしょうか。
詳しく解説していきます。
パン作りの砂糖の役割と効果
パン作りには砂糖が配合されている物が多くあります。
お砂糖無しでもパンを作ることは可能ですが、お砂糖を入れる方がやわらかくふっくらと仕上がります。
パンに甘みと香り、焼き色をつける
お砂糖の効果として最もわかりやすいのが、パンに甘みと香りをつけることです。
お砂糖の甘みがパンの甘さとなって味をつけます。
また、お砂糖を入れると焼き上がった時に色がつきやすくなります。しっかりと焼き色がつくことで小麦の香ばしい香りを楽しむことができます。
パンの美味しさを引き出してくれる素材でもあります。
イーストの栄養になる
お砂糖には、甘みや香りをつけるだけでなく、イーストの栄養になるという重大な役割があります。
お砂糖はイーストの栄養源になり、パン生地の発酵を助けるてくれます。
イーストは単糖(ブドウ糖と果糖)を栄養源にして、エタノール(アルコール)と二酸化炭素(炭酸ガス)を発生させます。
エタノールはパンの香りに、二酸化炭素はパンの生地を膨らませます。
お砂糖はイーストの栄養源となりますが、お砂糖の補助がなくてもパンは発酵します。
お砂糖が配合されていない場合、イーストは小麦粉に含まれるデンプンを体内に存在する酵素の力を借りて糖に分解し栄養源にします。
お砂糖が配合されている方が、簡単に早く栄養分を補給でき、その分効率よく生地が発酵するので、やわらかくふっくらとしたパンになります。
お砂糖が多いと発酵力が弱る
お砂糖は、イーストの栄養源になりますが、多くいれすぎると発酵力を弱めてしまいます。
これは、酵母が一気に糖分を分解してしまい生地の浸透圧が高くなるためです。酵母の働きを邪魔してしまうため上手く膨らみません。
多くお砂糖を配合する場合には、イーストの量を増やすか、耐糖性のイーストを使用するようにしましょう。
パンのこね上げ温度(捏ね上がった時のパン生地の温度)を2~3度あげると、綺麗に仕上がります。
■お砂糖を沢山使う時に、使用する耐糖性イーストが販売されています。
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パンの老化を遅らせる
パンは乾燥することで老化し、パサパサになっていくのですが、糖分は保水性や吸水性が高いので、パンの老化を遅らせることができます。
お砂糖の入っているパンは、お砂糖の入っていないパンに比べて乾燥しにくく、しっとりふわふわした状態を保持できます。
パン作りのお砂糖の量
パン作りに配合するお砂糖の量は、食パンや惣菜生地など甘くない生地には12%までのお砂糖を配合します。(ベーカーズ%です)
菓子パンなどは12%以上のお砂糖を入れているパンが多く、15%以上のお砂糖を配合する場合には耐糖性イーストを使用する必要があります。
お砂糖の量が少ないパンは、小麦の味がしっかりと生かされたパンが出来上がります。
食事用のパンほどお砂糖の量は少なくなっていることが多いです。
砂糖を増やしたら水を減らす
お砂糖の量が多い生地はベタベタした生地なります。
お砂糖の多い生地を上手く扱うためには、水分量を減らし少し固めの生地をしっかりと捏ねることがポイントです。
お砂糖が多く配合されているとグルテンもつながりにくくなりますので、しっかりとグルテンをつなげるためにもお水は少なめにしておきましょう。
まとめ
お砂糖は、パンに美味しさを加えてくれる材料ですが、それ以上にイーストの栄養となる重要な役割があります。
フランスパンなどの生地がダレやすく扱いにくいのは、お砂糖が入っていないためです。
フランスパンはとても人気があり、作ってみたい方も多いと思いますが、パン作りになれていない方には難易度が高いパンになります。
少量のお砂糖を入れることで扱いやすくなることがありますので、レシピを探す時も少しお砂糖が入っているレシピを選ぶといいでしょう。
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